ボッチャをやったことがない人ほど「簡単そう」と言う。そして、だいたい負ける。

「ボッチャ?」
「知ってる知ってる。白いボールに近づけるやつでしょ?」
「正直……簡単そうだよね。」
JAPAN BOCCIA CLUBの講習会やイベントでは、初めてボッチャを見る人から、だいたい一度は聞く言葉があります。
「これならできそう。」
はい。
できます。
ボッチャは誰でもできます。
そこが素晴らしいところです。
ただし。
できることと、勝てることは別です。
最初は、だいたい余裕です。
ボールを持つ。
ジャックボールを見る。
そして言う。
「あそこに投げればいいんでしょ?」
そうです。
基本的には、その通りです。
白いジャックボールに近づければいい。
走る必要もない。
ジャンプする必要もない。
激しくぶつかる必要もない。
だから初めて見る人は思います。
「スポーツ経験がある自分なら余裕だな。」
そして、自信満々の第一投。
……
届かない。
または、
飛びすぎる。
または、
なぜか横に行く。
そして少し笑う。
「あれ?」
この「あれ?」が、ボッチャの始まりです。

「簡単そう」と思った人ほど、本気になる。
一球目。
「まあ、練習だから。」
二球目。
「ちょっと力加減を間違えただけ。」
三球目。
「いや、今のは床が悪い。」
四球目。
「……ちょっと待って。」
ここからです。
さっきまで、
「簡単そう。」
と言っていた人の顔が変わります。
ジャックボールをじっと見る。
相手のボールを見る。
床を見る。
角度を見る。
そして急に言い始めます。
「いや、これ奥がいいんじゃない?」
「先にあそこを塞ごう。」
「そのボール、弾ける?」
さっきまで何も考えずに投げていた人が、急に監督になる。
これもボッチャあるあるです。

ボッチャは「運動神経」だけでは勝てない。
足が速い。
力が強い。
背が高い。
スポーツ経験が豊富。
もちろん、それぞれ素晴らしい能力です。
でも、ボッチャのコートに入った瞬間。
その能力が、そのまま勝利につながるとは限りません。
むしろ、
「強く投げられる人」が、強く投げすぎる。
ということもあります。
「運動が苦手だから……」
と最初は後ろにいた人が、
気づけば一番近くにボールを置いている。
そして、
「えっ、なんで?」
と周りが驚く。
ボッチャでは、そんなことが本当によく起こります。
上手い人は「すごい球」を投げる人ではない。
初めてボッチャをする人は、
きれいにジャックボールへ近づけることを目指します。
もちろん、それも大切です。
でも、ボッチャが面白くなってくると気づきます。
近づければいいわけではない。
相手のボールを弾く。
自分のボールを押す。
ジャックボールを動かす。
相手が狙いにくい場所へ置く。
相手に難しいショットを打たせる。
ここまで来ると、
「白いボールに近づけるだけのゲーム」
だったはずのボッチャが、
急に別の顔を見せ始めます。

そして、だいたい負ける。
ここでタイトルに戻ります。
ボッチャをやったことがない人ほど「簡単そう」と言う。
そして、
だいたい負けます。
なぜなら、
ボッチャを「ただ投げるスポーツ」だと思っているからです。
しかし実際は、
投げる前に考える。
投げた後に考える。
相手が投げたら、また考える。
一球ごとに、答えが変わる。
それがボッチャです。
でも、本当に面白いのは「負けた後」
負けた人は言います。
「もう一回!」
これが一番面白いところです。
最初は、
「簡単そう。」
だったのに。
最後には、
「次は勝てる。」
になっている。
一球目では笑っていた人が、
最後の一球では会場が静かになるほど真剣になる。
そして勝負が終わった瞬間、
成功した人も。
失敗した人も。
みんな笑っている。

ボッチャは「できるスポーツ」だから、誰でも挑戦できる。
ボッチャには、最初から「あなたには無理」と言われる場面が少ないスポーツです。
子どもも。
大人も。
高齢者も。
運動が得意な人も。
苦手な人も。
まずは、同じスタートラインに立てる。
だからこそ、
普段スポーツで活躍する人も、
普段はあまり前に出ない人も、
同じ一球に本気になれる。
「簡単そう」は、ボッチャへの最高の入口かもしれない。
正直に言えば、
最初に、
「簡単そう。」
と思ってもらうことは悪いことではありません。
むしろ、
「自分にもできそう」
と思えることが大切です。
そして実際にやってみる。
一球投げる。
思ったようにいかない。
もう一球投げる。
考える。
仲間と話す。
笑う。
悔しがる。
そして、また挑戦する。
気づけば、
最初の
「簡単そう。」
は、
「これ、面白い!」
に変わっています。

ボッチャをやったことがない人ほど、
「簡単そう」と言います。
そして、だいたい負けます。
でも、それでいいのです。
なぜなら、
負けて初めて、ボッチャの本当の面白さに気づくから。
簡単だから、誰でも始められる。
奥深いから、何度でも挑戦したくなる。
運動が得意な人だけのスポーツではない。
誰かだけが主役になるスポーツでもない。
一球投げれば、
誰にでもチャンスがある。
だからJAPAN BOCCIA CLUBは思います。
「ボッチャは簡単そう」でいい。
でも、一度やってみてください。
お気軽にお問い合わせください。JAPAN BOCCIA CLUB24時間365日受付中
お問い合わせ

