「ボッチャ」という名前、どこの国の言葉か知っていますか?

答えは――

イタリア。

英語でも、日本語でもありません。

では、なぜ日本で「ボッチャ」という名前で呼ばれているのでしょうか?

そして、そもそも「ボッチャ」には、どんな意味があるのでしょう?


「Boccia」はイタリア語

ボッチャの英語表記は、

BOCCIA

です。

国際パラリンピック委員会(IPC)は、この言葉について、イタリア語で「to bowl」、つまりボールを転がす・投げるという意味に由来すると説明しています。

つまり、

Boccia

ボールを転がす・投げる

ボールを使った球技

というイメージです。

さらにIPCの資料では、語源をラテン語の bottia(球・ボール) に遡る説明も紹介されています。


では、なぜ「ボッチャ」という名前が世界に広がったのか?

ここが面白いところです。

実は、ボッチャというスポーツの歴史は、イタリアだけから始まったわけではありません。

そのルーツは非常に古く、IPCによれば、古代ギリシャでは石を目標に投げるような遊びが行われていました。

さらにエジプトでは、紀元前5200年頃まで遡る、似た遊びを示す遺物や壁画が見つかっています。

つまり、

「ボールを目標に近づける」という遊びそのものは、イタリアよりはるか昔から存在していた

ということです。


それなのに、なぜ「ボッチャ」なの?

ここには、スポーツの歴史があります。

こうした「目標に球を近づける」タイプの遊びは、ヨーロッパ各地で発展していきました。

中世には市場や街中でも行われていたとされ、ボールを転がして目標に近づける競技が広がっていきます。

そして、イタリアではこうした球技がbocciaという名前で発展していきました。

その後、現在の競技ボッチャにつながる形で世界に広がり、

「Boccia」という名前そのものが競技名として定着した

と考えることができます。

つまり、

日本が独自に「ボッチャ」と名付けたわけではありません。

世界で使われている競技名 Boccia を、日本語として発音しているのです。


「ボッチャ」は日本語ではない

ここも意外と知られていません。

日本では、

「ボッチャ」

とカタカナで書くので、なんとなく日本で作られたスポーツのように感じるかもしれません。

でも実際には、

Boccia → ボッチャ

です。

英語の「baseball」を「ベースボール」と呼ぶのと同じように、外国語の競技名を日本語の音に置き換えています。

ちなみに英語圏では、一般に 「ボッチャ」ではなく「ボチャ/ボッチャ」に近い “BOT-cha” と発音されます。IPCも「Bot-cha」と紹介しています。


そして、ここからがボッチャの面白いところ

名前のルーツを調べていくと、あることに気づきます。

現在のボッチャは、

「障がい者のために最初から作られたスポーツ」

というイメージを持っている人が多いかもしれません。

確かに、現在のパラリンピック競技としてのボッチャは、もともと脳性まひのある人が競技できるよう発展してきました。

そして1984年のニューヨーク/ストーク・マンデビル大会で、初めてパラリンピック競技として採用されました。

しかし、

ボールを目標に近づけるという遊びそのものの歴史は、はるか昔まで遡ります。

つまり、

ボッチャの「ルーツ」と

パラリンピック競技としての「ボッチャ」は、

同じではありません。

ここを知ると、ボッチャを見る目が少し変わってきます。


「ボッチャ」という名前には、スポーツの本質が入っている

ボッチャの基本は、とてもシンプルです。

目標に向かってボールを投げる。

そして、

どちらがより近いかを競う。

しかし、そのシンプルな遊びが、何千年もの時間をかけてさまざまな形に発展してきました。

現在のボッチャでは、

  • 正確なアプローチ
  • ヒット
  • ジャックボールを動かす戦術
  • 相手との駆け引き
  • 心理戦

まで生まれています。

つまり、

「ボールを近づける」

という非常にシンプルな遊びが、

「一球ごとに戦略を考える競技」

へと進化したわけです。


日本語で見ると、

ボ・ッ・チ・ャ

たった4文字です。

でも、その言葉をたどっていくと、

古代の球遊び

ヨーロッパの球技

イタリアの「boccia」

近代スポーツ

パラリンピック

現在のボッチャ

という、非常に長い歴史につながっています。


だから「ボッチャって何?」と聞かれたら

「赤と青のボールを白いボールに近づけるスポーツ」

それだけでも間違いではありません。

でも、もう一歩踏み込むなら、

「ボッチャはイタリア語で、ボールを転がしたり投げたりすることに由来する名前なんだよ。」

と教えてあげると、ちょっと面白いですよね。

そして、

「実は、そのルーツは古代まで遡るんだよ。」

と続ければ、

「えっ、そんなに古いスポーツなの?」

という驚きにつながります。


たった一つの競技名にも、

ボッチャが歩んできた長い歴史が詰まっています。

お気軽にお問い合わせください。JAPAN BOCCIA CLUB24時間365日受付中

お問い合わせ

じゃっくまん

JACKMAN

JAPAN BOCCIA CLUB 代表

「たのしそー」から「たのしむへ」それが、最初でした。
投げて、考えて、ときには教えて。
「やってみたら」「できちゃって」
スポーツの見方が変わったり、人との出会いが増えたり、
「うれしかったり」「ドキドキしたり」
今まで気にしなかった「なぜ?」が気になったり。
そして気づけば、
ボッチャに関わることで、世界の見え方まで変わっていました。
「笑顔になったら」「輝いた」
そんな、ボッチャから広がる世界を
じゃっくまん目線で綴っています。

Profile Picture